その昔、芦原温泉中心部の温泉地帯は低湿な沼地でした。
明治16年に町内堀江十楽のひとりの農民が灌漑用の水を求めて水田に井戸を掘ったところ、約80度の塩味の温泉が湧出したのが始まりです。
翌明治17年には何軒かの温泉宿が開業し湯治客を泊めるようになり、明治45年に旧国鉄三国線が開通して以降温泉街として発展していきます。
多くの文人墨客に愛され、昭和2年には「日本百景」選出にあたって11カ所の温泉が選ばれ、その一つに芦原温泉も選ばれました。
その後、福井大震災(昭和23年)、芦原大火(昭和31年)など度重なる災害に見舞われますが、温泉街・庭園・露天風呂などの再整備をおこない現在は74本に限定。落ち着いたたたずまいで「関西の奥座敷」と呼ばれるまで発展していきました。
芦原温泉では、お湯の共同管理を行っておらず、各施設が何本かの温泉の井戸を持っています。
そのために各施設により温泉の成分が微妙に異なっており、それぞれ違った感触のお湯をお楽しみいただけます。
芦原温泉は、北陸・福井県の北部に位置しています。温泉街を中心に北は丘陵地帯、南は水田地帯が広がり、観光と農業に栄えた町です。 九頭竜川以北に広がる水田地域ではハウス栽培によるメロン、スイカ、トマト(越のルビー)の栽培が盛んで、町の特産物となっています。芦原温泉に隣接する里地里山の風景が広がる山間地域は、越前加賀海岸国定公園に指定されている海岸線と北潟湖があり、休日になると県内外から訪れるカヌーイストや釣り人で賑わいます。また、6月上旬~7月上旬頃までの1ヶ月間、北潟湖畔花菖蒲園では約300種・50万株の菖蒲が一斉に花開き、観光スポットのひとつとなっています。