女将の会研修旅行 金沢・湯涌温泉   R1.9.17 18

 今年も忙しい夏休みをやり遂げ、みんなで研修旅行に行ってまいりました。

 行先は金沢と湯涌温泉・・進化し続ける金沢市内と、ある旅館がリードし、温泉街の賑わいが
変化しはじめている温泉地を視察です。
 9人の女将が参加しました。

 思い起こせば・・平成21年
 その年の研修旅行は能登の「百楽荘」
 そのころの私たちは考え方自体が平和で・・単に「能登に良い旅館があるんだって・・」とか
「東茶屋街が綺麗になったんだって」という感覚で行先を決めていたように思います。
 それは北陸新幹線の福井延伸がすごく先で・・考え方がある意味幼稚であったと思います。

 近年はおんぱくのような観光プランが豊富なところであったり、まち歩きが参考になるところ、
また旅館自体が大胆な改革をしているところを研修先に選んでいます。

 まさに研修先の湯涌温泉「百楽荘 彩心 IROHA」は進化した「百楽荘」の系列旅館です。
 
         

 9日に千葉県に上陸した台風15号が甚大な被害をもたらしたあと、心配した16号は影響なく、
おかげさまで10時に旅館組合を出発することができました。
 まず金沢市内に向かって腹ごしらえ。
 うどん鍋と釜ごはんが美味しいお店「おたふく」へ。
 近くには「あめの俵屋」さん。
 そのあと東茶屋街をお散歩して、昨年オープンしたての湯涌温泉「百楽荘 彩心 IROHA」へ
向かいます。
 フォトジェニックな宿をテーマに「女性が泊まりたい宿」に仕上げているそうで、期待は膨らみます。
 
 
       

 チェックイン後すぐに、百楽荘、マーケティング・コンサルティング宿力の萩原聡彦代表取締役に
講演をしていただきました。
 まず、ご自身の旅館に係わることになった経緯、苦難、経営者としての理念、ポリシーなどを語り
始めます。
 立地であったり、ターゲットを絞ることであったり・・。
 ONRY1  NO.1  FIRST1 を目標に、8年で回収できないものは投資しないとバッサリ。
 営業利益を上げ、メインバンクを作らず、各銀行との関係に優位性を持たせるなどとこちらがビックリ
するような持論を展開されます。
 冷徹な経営者かと思えば、新入社員の採用方法や人材育成法のお話では、会社の存在理由は人を
幸せにすることと言い切ります。
 多くの従業員と関わり、理念を浸透させ刷り込んでいく。
 人をまとめる力をつけ、売り上げを作り、会社を変革させ、ビジョンを示せる「神」と呼ばれる人材を
育成する。
 萩原社長が10年以上かけて作り上げてこられたノウハウを惜しげもなく私たちにお話してください
ました。

 「私たちにはできないかもしれない・・」
 「私・・女将なんてやめた方がいいかもしれない・・」

 なんて正直思ってしまいました。
 ですが、伺ったお話の中の一つでも実践していけたらと・・。
 予定時間を大幅にオーバー、記念撮影をお願いし、無事終了です。
        

 すぐにロビーに移動して、アフタヌーンティーをいただきます。
 色彩豊かな、鮮やかな館内はどこをどう切り取ってもインスタ映えします。
 お部屋に移動しても素敵な和の空間が設えてあります。
 窓の外には緑豊かな自然が広がります。

 このお宿のプランには一人30分間のエステもついています。
 かわるがわる至福の時間を過ごし、7時半の夕食へ。
 すばらしいお料理、素敵な器、行き届いたサービス・・金沢らしい食材は本当に美味しかった!
 石川と言えばノドグロ・・がますます定着してきたようです。
 体調を崩した女将が一人いたのですが、お部屋に届けていただき事なきを得ました。

 またこのお宿は、宴会ではなく会食、カラオケもなければ二次会場もありません。
 ですから、小腹がすいたとき用のお夜食が用意されていたり、ゲームラウンジで楽しめるように
設えてありました。
 素敵なゆったりした時間を過ごすことができます。
 夜が更けても尽きることなく語りつくした一日が終わります。

 翌日の朝食は8時に。
 こちらも目で楽しませてもらって、美味しくいただきました。
 
        

 旅館を後にし、市内に戻り忍者寺近くの臨済宗妙心寺派 太白山 寶勝寺へ。
 このお寺は住職のいなくなった荒れ寺でしたが、数年前大安禅寺(福井)の友峰和尚が赴き、
大胆なアイディアで見事再興されました。
 寺カフェやガーデンは多くのお客様で賑わっています。
 女将たちがお訪ねすると大歓迎していただき、ご自身のご苦労されたことやここ数年の金沢の
変貌をお話し下さいました。
 和尚お得意の話術で笑い、和み、そして元気が出てきました。
 和尚曰く・・

 「旅館は女将でもっているようなもんや」

 北陸新幹線も敦賀開業すれば、あわらにもどっと人が押し寄せてくるとも・・。

 「そんなに簡単じゃないはず・・」
 「でもやっぱり頑張ろうかなぁ・・もう少し」
 昨日は女将やめようと思ったのに・・笑

 お話が済むと「ふれあいパーク霊苑」を案内してくださいました。
 近頃はお墓を代々維持していくことが困難になったり、新しくお墓をつくることに戸惑いを覚える方
が増えているそうです。
 そこで、夫婦だけの墓であったり、集合墓であったり、樹木葬であったりと、故人を身近に想う場所
の提供を提案されたそうです。
 手入れの行き届いた、様々な花が咲き誇る花園のようなその霊苑に

 「私も死んだらこんなところで眠りたい」そう思いました。

       

 美味しいお菓子とコーヒー、そしてたくさんのお土産ありがとうございました。
 「一に掃除、二に笑顔、三四元気におかげさま」
 精進します。

 和尚に見送られ、寶勝寺を後にしました。

 13時半からはイタリア料理界の巨匠、落合シェフの「LA BETTOLA da Ochiai」でランチです。
 みんなのオーダーは様々で・・仲良くシェアして堪能しました。

 お買い物も済ませていたので一路芦原へ・・。
 夕方到着して、夜の宴会のご挨拶に出向いた女将もいました。
 因果な職業です。。 
 
     

 10年前の私たちと今の私たちでは、取り巻く環境、経済状況が激変しています。
 女将の会のメンバーも各々の都合で参加が難しく、少ない人数で活動している状況です。
 そこは嫁である若女将や旅館に生まれた娘たちでカバーしていますが、世代交代時には
どうしてもおこることですよね。
 8月31日の帯のまち流しでも、そうやってチームを作りました。
 彼女たちが子育てが終わって、バリバリ活動してくれるまで今しばらく私たちが頑張ります。

 観光経済新聞「にっぽんの温泉100選」(2018年度)で、あわら温泉は前回の43位から大きく
ジャンプアップ25位に食い込むことができました。
 地域全体で取り組んできたことが花ひらいてきたのか・・。
 今年度の順位もやがて発表されるはず・・
 少しでも上にいけるよう、また敦賀開業の2023年春、私たちの活動が間違っていなかったと確信
できるようコツコツと積み上げていきたいと思います。 

 今年の研修旅行も仲良く大いに楽しめたことが私たちの大きな財産です。
幹事の福寿さんお疲れさまでした。
サポートの長谷川さんもですね。
べにやさんは来年は必ず一緒に・・