3年目の米作り 酒造り「女将」    H28.4~H29.2


 3年目の「女将」の酒の完成を迎えて、やはりいろいろあったと振り返ってみたいと思います。
 毎年同じとはいかないのが米作り、酒造り。
 平成28年は本当に天候に恵まれ、大きな台風にもあうこともなく酒米の山田錦は豊作でした。
 酒造りも困難はなく、大変バランスの良いお酒に仕上がりました。

田植え 6月8日(水)

 本当に良いお天気に恵まれました。
 思い思いの田植えルックに身を包み、9人の女将が剣岳ファームにて3年目の田植えに臨みました。
 私(白和荘女将)は前日吹田のサッカー観戦からのオールで・・頭がクラクラしてましたが、田圃に
足をとられてもなんとか踏ん張れました。
       
 今年は「六角」という手植え用の線を付ける道具にも挑戦。
 これが結構難しく、左に左にズレていきます。
 引いた線を踏みそうになると・・何度も山口さんから「踏まないように~」の声が・・。
 田植え機にも乗りました。
 でも手植えとの差が歴然とわかりますよね・・。 

 
 
プロジェクト会議第1回 6月14日(火)

 プロジェクト構成員の確認を行い、今年も剣岳ファームさんに酒米を生産(1ha)
を依頼しました。
 720ml 4000本の予定です。  

 
生育

 8月も後半になると、周りの早生ハナエチゼンの
刈取りが始まりますが、山田錦はじっくりじっくり
成長中です。
 
 9月に入ると穂が出始め、花も咲いてきました。

   
プロジェクト会議第1.5回 9月26日(月)

 生産状況の説明や今後のスケジュールについて話し合いました。
 久保田酒造さんより、コンセプトや方向性について厳しい意見をいただきました。
 「女将」を売るという覚悟が必要だと・・。

稲刈り 10月17日(月)

 10月に入るとそわそわと田圃に出かけます。
 稲穂もとても重そうだけど・・「あと1週間ぐらいやな~」を声をかけられました。
 涼やかな秋風が吹く秋晴れのお天気の中、赤とんぼが飛び交います。
 
     


 稲刈り前日はあいにくの雨・・。
 刈取りには乾燥した稲にこしたことはなく、大丈夫かと案じましたが当日はなんとか晴れてくれました。
 ですが・・田圃はぬかるみ、四苦八苦。
 たくさんのマスコミさんのカメラに大騒ぎしてたら「ポーズとってないで早くはじめなさい」と山口さん。
 3年目でも稲の束ね方はすっかり忘れてしまい、最初から最後まであーでもないこーでもないと怒られました。
 稲束はポーンと畔に放り投げます。
 畔横には11月に刈り取る蕎麦の実が・・。

 今年ははさがけも体験。
 美松女将はアレルギーの反応ですごい涙目です。
        
グランクラスの話

 この話は実現しなかったお話ですが、記録しておこうと思います。
 9月15日久保田酒造さんからメールが来ました。
 北陸新幹線グランクラスに提供する日本酒に「女将」をエントリーさせてくださいとのこと。
 以前グランクラスに乗車し、食事提供の際、石川県珠洲市の日本酒「宗玄」をいただきました。
 オール北陸の食を表現したそれらに感動を覚えました。
 ハードル高そう・・でもここに「女将」が出せたらいいね・・と簡単に考えた私たちは即OKを出したのですが、
 問題は山積でした。
 原資はどこから?瓶の再考や周りへの理解や説得。
 福井県酒造組合からは9社がエントリーしたそうです。

 結果は不採用。
 ですがよい勉強ができたと考えています。
 何年後かにもう一度チャンスがあればまた挑戦したいと思います。

プロジェクト会議第2回 11月8日(火)

 酒造りの日程確認やお披露目会の内容について検討しました。 

初添え(添え仕込み) 11月16日(水)

 もうもうと立ち上がる蒸米の湯気が上がる蔵の中、私が一番好きな作業です。
 蒸上がった酒米をスコップで冷却・乾燥する機械の中へ。
 冷やされた蒸米を酒母と麹米と仕込み水が入ったタンクに二人一組で慎重に投入。
 その後、櫂棒を使って撹拌します。
 すぐに醪がふつふつと・・生きてます・・。
 「女将」300ml 1本作るためには、白米が150g(一合)が必要だそうです。

     

切返し・盛り 11月24日(木)

 この作業は3年目して初めて体験させてもらった作業です。
 「切返し」は蒸米の塊をほぐして、よく揉み合わせることを言います。。
 温かい酒米の中に手を入れる感動は一入で、麹のせいか手がつるつるになりました。

 そのあと一定量ずつ箱に入れる「盛り」を行います。
 KUBOTA製の製麹機に盛られた麹はうまく突破精(つきはぜ)になりますように・・。 

       
       

お披露目会 12月20日(火)

 セントピアにおいて11時30分より行いました。
 忘年会に辛口を完全に売り切ってしまい、年明けを待たず年末のお披露目となりました。
 今年の設えは「お正月・新年」で・・。
 新年に新酒で迎えていただきたいとの案が出たためです。

 初めて一般の方々にお越しいただけるようにチラシも・・。
 平日の昼にも関わらずたくさんの方にお集まりいただきました。
 
 今年は官邸訪問の際にリボンでお世話になった「SINDO」の中島課長様にもお越しいただきました。
 1年間の米作り、酒造りを各女将が交替でお話しました。
 予定より多い甘口1000本、辛口4000本が仕上がりました。

 蔵元は壇上で新酒「女将」の利き酒をします。
 「今年は夏の天候もよくとても良い米ができました。米の心白もしっかりでました。
 甘口は従来の香り味ともにかわりなく、加えてふくよかな深みのある仕上がりになりました。
 辛口も食中酒に最適のスッキリとした味わいとなりました。」

 お世話になったご来賓の方に女将を贈呈。
 ジャンケンで3名の方に「女将」をプレゼント。
 甘口で乾杯。
 その後に辛口も試飲していただきました。 

       


美し国越前あわらフェア 2月2日(木)
 
 今年もホテルニューオータニにて開催されました。
 5人の女将が上京し、おもてなしをしました。
 2部の交流パーティは山口女将の会会長の開会挨拶で始まりました。
 今年は乾杯や振舞酒は「女将」。
 アトラクション?とのご要望にも、ご期待の「口上」で華を添えさせていただきました。
 その内容は・・ちょっとグダグダ?だったかもしれませんが、そこをしっかりまとめるのが女将の会です。
 100人余りのお客様に、「あぁ、あわら贅沢。」を感じていただきました。

     

北陸フォーラム2017  2月7日(火) 

 ホテルニューオータニで開催。
 北陸3県の開催なので、2000人規模です。
 こちらも3人の女将が上京し、 灰屋若女将が代表でご挨拶させていただきました。
 あわら温泉や「女将」のPRに尽力しました。 
 



 「10年は我慢しなくてはダメ・・」

 蔵元さんの言葉です。
   

 新しい銘柄のお酒をデビューさせたら、そのくらい腰の据わった努力をしなくてはいけないそうです。
 毎年、どのくらい仕込めばいいんだろうかと考え、飽きられてしまったらどうしようと悩み、残ったら
蔵元さんにも迷惑がかかる・・。
 2年間は本当に皆様にご注文いただき、うれしい悲鳴をあげております。

 今年は販促強化のための「のぼり」を作成したり、酒粕を使った商品開発も本格化させる準備もしています。

 あわら温泉にお越しいただいて召し上がれる「女将」
 あわら温泉の売店でしか買えない「女将」

 それが「あぁ、あわら贅沢。」ですよね。

 本年も「女将」よろしくお願いします。