平成26年2月、福井県産業労働部地域産業・技術振興課より、宿泊旅館とのタイアップによる
伝統工芸PR・販売について旅館組合に提案がありました。
産地組合が旅館に対して、その意見を反映した伝統的工芸品を提供し、旅館で実際に使用しながら
観光客にPR等を行い、伝統的工芸品の販売拡大を図るという概要です。
事前アンケートにおいて各旅館の意向調査を行った後、各旅館女将がマッチングや細部調整のため
に研修を兼ねて産地組合に出向くことになりました。
平成26年6月25日(水)女将12名が8時半に芦原を出発。
北陸自動車道を使って、最初に越前和紙の里 パピルス館を訪れました。
所要時間は1時間です。
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越前和紙は約1500年続く伝統産業です。
和紙工業協同組合 山崎事務局長様からご説明をいただき、越前女紙倶楽部(えちぜんめがみくらぶ)
をご紹介いただきました。
越前女紙倶楽部は越前和紙に携わる女性の会で、その名前の由来は岡太川(おかもとがわ)に現れた
女神 川上御前から名付けられたそうです。
生産者の奥さまがほとんどで定期的に集まって新商品の開発を行っているようです。
柔らかな和紙が女性の感性で素敵な小物たちに姿を変えます。
パピルス館の1階にある「和紙処えちぜん」は越前和紙産地組合の直売店で、書画用和紙はもちろん
雑貨等が豊富に揃っています。
もちろん越前女紙倶楽部の皆さんの作品も販売されていました。
次は15分ほど離れたうるしの里会館へ移動です。
越前漆器もその歴史は約1500年前に遡ります。
越前漆器協同組合 伊部事務局長様よりお話をお話を伺いました。
長い歴史の中で近年は全国有数の業務用産地となり、全体の80~85%に及んでいるそうです。
漆器は塗り直しができることを強調されており、食器洗浄機や乾燥機が使用できる製品が開発されて
います。
地元では給食用食器も漆器を使用しています。
旅館で使用する漆器のポイントも教えていただき、事前にカタログをいただいていたこともあり、各自
旅館で使用予定の器を丁寧に見直しました。
館内には見事な塗りの山車やお神輿も展示してあり、その技術のすばらしさに感嘆しました。
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昼食は「喫茶椀椀」でいただきました。。
越前漆器に盛りつけられたお料理は本当に美しく見えてかつ美味しく、器の持つ力のようなものを
感じました。
メニューはグリーンカレーか定食でしたが、そのどちらにも地元鯖江市河和田地区に伝わる伝統的な
薬味「山うに」が添えられてました。
柚子と唐辛子などをすって作られたもので、初めて食べたのですがとても美味しかったです。
次はそこから30分かけて越前陶芸村へ。
越前焼工業協同組合の大瀧様にご案内いただきました。
越前焼の発祥は約850年前、平安時代末期と考えられています。
瀬戸、常滑、信楽、丹波、備前とともに日本六古窯に数えられています。
まず良質な原料の土を採掘している山を見学。
次に土を生成して粘土にしている越前焼工業協同組合坏土(はいど)工場に移動。
何回も繰り返し行う工程に素材へのこだわりを感じました。
この坏土工場ですべての越前焼の粘土を供出しているそうです。
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そして光(ひかり)窯を訪問。
こちらでは私たちが利き酒師資格取得の際に大変お世話になった友田晶子先生プロデュースの酒器を
作成していました。
ろくろの上の粘土が瞬く間に同じ形の器に作られていきます。
その繊細な薄さの酒器はグラム単位の完璧さを求めるあまり、たくさんのロスが生まれるそうです。
ですが焼き物の破片は、何千年という長い時間をかけて土にもどされます。
最後に越前焼の館に戻り、各自好みの器を買い求めました。
あわら温泉ではまもなく、福井県産伝統工芸の器を用いておもてなしをすることになります。
この器は越前焼で作家さんはこの方なんですよとお伝えさせていただきます。
平成25年、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
また漆器は英語でjapanと言うんですよね。
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これからは世界に向けて「オール福井」での総力戦です。
べにや女将も申しております。
自然豊かな福井の魅力、伝統、文化を永遠に伝えたい・・。
越前伝統文化に触れ、永平寺の食文化を学び、女将はこれからの
福井を背負うつもりの自覚を持たなければと。
3産地を半日あまりで研修させていただき、4時半には帰宅しました。
福井県担当者様、またお世話になりました皆様ありがとうございました。
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